10月園だより(10/2)

「わたしは復活であり、命である。私を信じる者は、死んでも生きる。」

ヨハネによる福音書11:25

運動会を終えた子どもたちは今、10月21日に行われるミュージカルに向けて、練習に励んでいます。

初めてミュージカルを見た時、わたしはとても驚きました。

これまで幼稚園の子どもというと、皆で一緒に大きな声で元気に歌を歌ったり、一生懸命セリフを覚えて劇を発表するというイメージがありました。

ところが、このミュージカルには、一切、言葉が無いのです。しかも、ただ振りを覚えて真似をして踊っているというのも違います。

後で分かったのは、言葉を使わない代わりに、子どもたちは見えないところで先生たちと十分に言葉を使って自分の中で考えて、それが身体全体の踊りに表現されているということでした。

今年のミュージカルは「眠り姫」です。魔女の呪いによって眠りに落とされたオーロラ姫を王子が起こしに来るという物語ですが、わたしたちの幼稚園ではそこに「死と甦り」というテーマを見ています。

わたしたちはいつか必ず死の時を迎えます。でも教会は、わたしたちの神さまであられる主イエス・キリストがもう一度わたしたちのところに来られる時に、わたしたちを死から甦らせてくださることを信じています。

ある時、年少の子どものお父さまが意識不明になられたことがありました。それから数ヶ月、その状態が続いていた時、その子どもがお母さんに言ったそうです。「死は終わりじゃないんだよ」と。

まだ年少の小さな子どもでしたけれど、礼拝でお話したことをしっかり受け止めていたようです。子どもの思いがけない言葉に、どんなに励まされたことかと、お母さまが言っておられました。

わたしはどんなに小さな子どもであっても、自分の命に限りがあること、人は死ぬということを知っていてほしいと思っています。

同時に、死は終わりではなくて、神さまは必ず、愛する人をもう一度甦らせてくださる。その希望を持って、子どもたちに、悲しんでいる人に慰めを与えられる人になってほしいと願っています。

ミュージカルまであと三週間となりました。今年の「眠り姫」はどのようなミュージカルになるでしょう。

教師と一緒に、子どもたちがしっかり「死と甦り」に向き合って、心からの感謝の思いを踊りを通して神さまにお捧げすることができますように。